TBGとは?

 ♪♪ ターゲット 楽しむ人みな 若さ満ち

 TBGは、川口市のゴルフ愛好者である故野嶋孝重(のじまたかしげ)さんが発案した日本(埼玉県川口市)発祥のスポーツです。TBGを楽しんでおられる方は、同年代の方々と比較するとすこぶる健康的な生活をされていることが伺われます。さあ、あなたもご一緒に健康的なTBGライフをお楽しみください。

1.ターゲット・バードゴルフ(TBG)発案の経緯

  ここでは、TBGが生まれた経緯を簡潔にまとめてご案内します。

(1) ♪♪ 夢の中 ゴルフ楽しむ 晴れ姿

 熱狂的なゴルフ愛好者であった野嶋孝重さんは、「いつでも、誰でも、手 軽に、安全に、そして何より安価にゴルフが楽しめる方法がないものか」と日夜考え続けていました。

(2) ♪♪ 月アポロ 「ヒントを得た」と 野嶋さん

 とかく画期的なことを考案された方は、寝る暇も惜しんで何かいい方法がないものかと考え続けているといわれ、ある時偶然ひらめくことが多いように、野嶋さんもまさにこのケースのようです。1969年のアポロ11号の月面着陸の際、フワリと月面に降り立った次の図にあるような宇宙船イーグルの姿を思い出して羽根のついたボール「シャトルボール」を考案されたのです。

(3) ♪♪ 気の置けぬ 友に託した 試し打ち

 野嶋さんは、ゴルフを共に楽しんできた長年の気の置けないある友人にそのシャトルボールをプレゼントし、「ゴルフショットの練習用に使ってみてくれないか」と打診して、そのうえでその感想を聞かせてほしいと託しました。

(4) ♪♪ 忘れてた 友から嬉しい 便りあり

 数年後に、その友人がプレゼントされたシャトルボールについて連絡をしてきました。その友人は、いただいたシャトルボールをゴルフの練習に使い続けていたのでした。しかし、そのシャトルボールが古くなって使用に堪えなくなってしまったので、新しいシャトルボールを譲ってほしいとのことでした。

(5) ♪♪ 意を得たり 新たなゲームの スタートだ

 野嶋さんは、この連絡を受け「このボールは使える」との感触を得たといいます。早速このボールを使って何か新しいスポーツができないかと考え、「ダーツゲーム風の得点を競うニアピン競技(TBGの前身)」としての「室内でも楽しめるゲーム」を発案しました。

(6) ♪♪ 沢山の 人が愛せる ミニゴルフ

 その後このニアピンゲームに工夫と改良を重ね、現在のようなゴルフのストロークプレーに結びつけ、ゴルフをミニ化したような生涯スポーツ(TBG)を発案しました。しばらくは室内で行うゲームとして楽しんでいたのですが、現在の主として屋外で行う「TBG」に発展させました。

(7) ♪♪ ゴルファーの お役に立ちます アプローチ

 ゴルフ初心者にとっては、ゲーム感覚で気軽に取り組める「適度な運動量で手軽に入っていける生涯スポーツ」といえます。一方、ゴルフ経験者にとってはショットの醍醐味が味わえるうえ、ゴルフにはない「籠入れという新たな技術の習得」に挑戦する楽しみがあります。ルールやマナーなどはゴルフとほぼ同じであることから、ゴルフの上達を目指したい方あるいはこれからゴルフを始めようとしている方にも大いに役立つことでしょう。

(8) ♪♪ 先人が 海外までに 広げた輪

 1988年6月、日本ターゲット・バードゴルフ協会が設立され、同年第1回全国スポーツ・レクリエーション祭の正式種目になりました。2003年には日本TBG協会主催大会として第1回全日本TBG大会が開催され、2004年には全国6ブロックで地域毎の大会が開催されるまでになりました。また2005年の岡山国体には、デモンストレーション競技として初参加を果たしました。現在では、全国45都府県に地域協会が設立されようになり、愛好者は10万人ほどに上るゲームへと発展しています。また、1999年以降、ハワイ、オーストラリア、中国、タイ、韓国などと国際交流もされてきました。

2.用具 ( ♪♪ シャトルボール クラブとマットが 神器だよ 

 

(1)シャトルボール (♪♪ なるほどね スペースシャトル似 我がボール) 

 シャトルボールは、合成樹脂製のゴルフボールのようなものにバドミントンの羽根をつけた形をしています。ボールと羽根はビスでジョイントされています。このボールの規格は全長105mm、ボールの直径40mm、羽根の直径65mm、重量は30g以下とされています。因みに、現在のシャトルボールは、羽根の部分の重量は8.8g、球部は約17.5g、これらを接続しているネジは2.8g、合計28.2g程となっています。発案当初に開発されたシャトルボールから、多少の改良が加えられ現在では鮮やかな色に彩色されています。最新のシャトルボールには、羽根の部分に強度が増しているものの、総体的に球部が痛む傾向にあります。そのため、プレーヤーが、球部と羽根とのジョイントを外し付け替えるがいます。このジョイントは 特殊なネジを使っていて二度と元に戻らないような穴が空くようになっているため、付け替えが効きません。またネジが緩んできたからという理由で締め付けて使用する方がいますが、これらは危険この上ない行為です。羽根と分離した球部は、驚くほどの飛距離が出ます。けがのもとです。部外者はもちろん、一緒にプレーしている愛好者にもけがを負わせるリスクがあり、自分の身を守るためにも絶対に改造はしないようにしましょう。

(2)クラブ  ( ♪♪ 一本で 打ち分けるこの 楽しさよ )

 クラブは、TBG協会公認のTBG専用クラブ、又は一般のゴルフ用クラブ(P,PW)1本のみを使います。クラブの改造(ヘッドに鉛を張ることを含む)は危険防止のために禁止されています。使用クラブが1本のみであることは、自分のショットの特性を考えたうえで自分用のクラブを選ぶことが重要だといえます。1本で打ち分けることの楽しさを存分に味わいましょう。 

(3)ショットマット ( ♪♪ 助かるね マット打っても 苦情出ず 

 ショットマットは毛足の長さ2cm以下、サイズは、横40cm~35cm、縦20cm~15.5cmという制限があります。ショットマットを使用することにより、必要以上にコース内の凹凸を気にする必要がなくなります。このことは、微妙なショットの際には、ライの凹凸に気を遣うことがスコア作りの要点であるといえます。ゴルフ用のゴムティ用にホールが空いたショットマットは大会では使用できないのでご注意下さい。マット上をクラブヘッドがすべるようにショットすることは、随所で特に籠入れで効果的なショットを生んでくれますが、いくらこすったとしても、マットは文句を言いません(冗談です)のでご安心ください。

(4)ホール  ( ♪♪ 甘い蜜 ターゲットでは 籠にあり )

 上部のホール(かご)をアドヴァンテージホール、下部(フープ)をセカンドホールと呼び、アドヴァンテージホールは、傘を逆さにしたような形をしています。この両ホールのセンターには、ポールが立てられています。アドヴァンテージホールの直径は110cm、ホールが地上に水平にセットされている時は、ホールの上部は地上から50cmの高さにセットされます。セカンドホールの直径は86cmです。アドヴァンテージホールとセカンドホールの直径の差は24cmとなり、シャトルボールの約2個分にあたります。これらのホール等の規格を知ることは、「籠入れの基本」といえ、籠入れは、スコアを作るうえで、重要な位置を占めます。日頃から十分練習しましょう。

3.競技方法 ( ♪♪ 道具持ち ゴルフのように 楽しもう!

(1)人数  ( ♪♪ リーダーは ゲーム進行の 司令塔 ) 

 通常ゴルフ同様4人一組でラウンドします。リーダーの方は、常に前後の組の進行状況に配慮し、同伴競技者に注意を喚起して、プレーに遅れが出ないように気配りをしていただくようお願いします。なお、ラウンド時は、シャトルは先にショットされてプレーヤーの手を離れて飛んでいきますが、クラブとショットマットは常に持ち歩いて下さい。

(2)競技の種類  ( ♪♪ 近頃は ストロークプレーが 主流です

 競技方法には、ゴルフと同様、ストロークプレーとマッチプレー、ツーボールフォアサム、フォアボール等があります。このうち、TBGではストロークプレーが主流ですが、他の競技方法を経験してみることをお勧めします。他のプレーヤーの考え方が分かるなど、大いに勉強になります。

(3)進め方  ( ♪♪ オナーとは 前のホールでの 名誉です )  

 ゴルフに準じて、最初はじゃんけん、コイントス等で打順を決め、そのあとは前のホールのスコアによってオナーから順番にショットしていきます。「オナー」とは、前のホールでスコアが最も良かった方に与えられる「名誉」です。多くの方が間違えて使っているオーナーではありません(オーナーとは経営者、所有者等のことで、発祥の地川口でプレーする者としては、間違えないようにしたいものです)。ショットでは、シャトルボールをショットマットのセンターの最先端にセットしてからショットしていき、少しでも少ないスコアでのホールアウトを目指すことになります。

4.プレー場所  ( ♪♪ 地を探せ TBGの 次期コース )

 常設コースでプレーするのが一般的ですが、室内、緑地、公園や校庭の空き地等で仮設コースを設けてプレーすることもできます。コースは、通常18ホール設定されますが、9ホール、場合によっては数ホールで行われることもあります。各ホールは、通常横幅3メートル程度のフェアウェーが設けられますが、ロープ、レンガ、砂等で境界が設けられ、フェアウェーとアウトオブバウンズ(OB)とに区分されます。川口市には令和2年度以降2つの常設コースがありますが、市内の南方面(荒川沿い)にコースがあるとTBGの愛好者がもっと増えることが期待されます。しかし、18ホールでおよそ1万平方メートルの広さが必要ですので、この敷地確保の問題をクリアしなければならないのが難点です。現在新しいコースの候補地を物色しております。 

5.特徴や魅力

(1)使用するクラブ  ( ♪♪ まずはじめ クラブの特性 見極めて 

 使用するクラブは、ゴルフでも同じですが、シャフトの延長線上に重心があるわけではありません。そのため、ある意味ゴルフを難しくしているとも言えます。そのためクラブを直線的にスウィングするとターゲットに力強いショットをすることができず、新円とはなりませんがある程度丸い軌跡を描くようになります。しかし、この力学の理論を駆使した構造になっていることで、想像を超えた飛距離が出、シャトルボールを遠くのターゲットに向けて飛ばすことができるという醍醐味が味わえます。クラブヘッドは、ネック一つとらえてもストレートやグース等いろいろな種類があります。自分に合ったものを見つけて存分に楽しみましょう。

(2)自然を守る  ( ♪♪ そこにいる 君も楽しく TBG )

 マットを敷いてシャトルボールを打っていくので、地面や芝を痛める心配がなく、林間でも池等の障害物のある所でも芝の上からショットするようにプレーできます。それだけ、身近な狭い場所でも楽しく簡単にゲームができるのがTBGだといえます。もし、今プレーしているコースの外から興味深そうに見ている方を見かけた場合には、気軽に楽しめ、自然に優しいゲームであることをアピールして、仲間入りしていただけるよう声をかけてみましょう

(3)コース設定は基本の決まりはあるが、臨時の設定もできます     ( ♪♪ ちょっとした 広場があれば 楽しめる )

 TBGは狭い場所など状況に応じて数ホールのみでも楽しむこともできます。身近で開催されるイベントの際、ちょっとしたスペースをお借りしてデモンストレーションとして楽しむこともできるのではないでしょうか。きっと愛好者が増えますよ。その際は、協会も積極的にお手伝いします。

(4)爽快感がある( ♪♪ ゆっくりと 振ってもシャトルは 逃げないよ

 コースにはロングホールやミドルホールも設けられますので、ゴルフのようなフルショットをすることもでき、シャトルが空中を飛ぶ爽快感が味わえます。しかし気を付けたいのが、フルショットしようとするととかくリズムを崩しがちです。フルショットの時こそゆっくりとスウィングしてタイミングを取るのが大切といえます。ゆっくりショットしても、シャトルボールは決して逃げ出してはいきません(これも冗談)から。

(5)シャトルは風の影響を受ける(♪♪ 簡単さ 風を味方に すればいい

 シャトルボールには羽根がついているため、自然界の風の影響を受けやすく、自然との挑戦もできるなど、奥行きが深いゲームとなっています。このことは、風読みを的確に行い、風を味方にできればスコアアップ間違いなしという大きな楽しみがあります。風が友達になってくれれば、風が吹かない日のターゲットでは興味が半減するというのは小生だけではないようです。時々空を見上げてみてください。TBG考案者の故野嶋孝重さんが、千の風になって皆さんを見守ってくれていますよ。

6. TBGというゲームを理解するための7つの焦点
 TBGというゲームを7つの焦点に分けることで、目からうろこが取れるように理解が深まるのではないかと思いました。TBG初心者の方が徐々に増加傾向にあるなかですので、筆者独自の目線からTBG理解のためにまとめてみました。参考にしていただき、皆さんの実力アップの助け舟になればと思ってまとめてみました。TBG愛好者のあなたには、雨でコースに出られないとき、この7つの観点からTBGというゲームを初心に帰って見直す機会にしていただければ、その日は恵みの雨になってくれるかもしれません。
(1)自己責任( ♪♪ このゲーム 審判員は あなたです )
 TBGはゴルフ同様、審判員が同伴してくれるわけではありますせん。狭いコース内で安全に安心してゲームを楽しむためには、各自がエチケット・マナーを守り、ルール(競技規則)に従ってゲームを進めなければなりません。しっかりと勉強してこれらを自分の身に刻み込みましょう。そして時々は、初心に帰って復習することに心掛けましょう。
(2)自然環境( ♪♪ 目線変え 置かれた自然を 把握する )
 このゲームは、自然環境を無視することはご法度です。この自然とは、天候だけでなく、シャトルボールが止まっている周辺の地面も入ります。雨の中のゲームとなれば、足元だけでなく、手元も滑ります。けがの原因にもなりかねません。風の向き・強さによってショットしていく方向を調整しましょう。地面の芝がどうなっているか、地面がうねっていることはないか、毎ショット条件が変わってきます。この理解なしには、いくらクラブがシャトルを的確にとらえても、地面に跳ね返されたりしてナイスショットは望めません。
(3)止まっているボール ( ♪♪ あなたです 止まったシャトルを 活かすのは )
 多くのスポーツは、ほかの人が動かしたボールにタイミングを合わせるように跳ね返すことになりますが、TBGでは静止しているシャトルボールを自分が主体性をもって動かすことで始まるゲームです。したがって、ショットのリズムは自分で決めることができるゲームであるということになります。アドレスしてから、ショットするまで長い時間をかける ことも できるし、逆に 、 素早く動き出すことも自分が決めるのです。目線を変えると、自分のリズムを持つようにすることで、ショットの反復性を増すこともできることになります。スロープレーにならない範囲で、自分独自のプリショットルーチンを作り上げてみましょう。
(4)ターゲット( ♪♪ 目標を 定めることを 忘れずに )
 TBGは、狭いコース内で多くの方がプレーするゲームです。その左右3メートルほどのフェアウェーのコースは、曲がりくねっていたり、池やバンカー、クリーク等が設けられています。このコースを攻略するためには、毎ショットの目標(ターゲット)を定め、いかにそのターゲットにシャトルボールを正確に運ぶことができるかがショットの成否を分けることになるのです。練習場などで条件を変えた多彩な再現性の高いショットを身につけることが求められているといっていいでしょう。
(5)スコアを競う( ♪♪ 漫然と 打たずにスコア  考えて )
 TBGはゴルフ同様、いかに少ないスコアでラウンドできるかが求められているゲームです。OBを出すまいと、コツコツと短いショットをつないでいくのも一つの方法ですが、これではスコアにはなかなか結び付きません。ショットの精度を高め、ショットのレパートリーを増やす練習をすることで確実にスコアがアップし、楽しさが増すこと間違いなしです。基本をしっかり身につけ、その基本にアレンジを加え、自分独自のショットを作れれば申し分ありません。基本がしっかりしていると、万が一壁にぶち当たった場合でも、戻れる家がありますので、素早く立ち直れます。その壁となった原因を見つけるには、日頃ラウンドを共にしている仲間の方に助言を求めることが最善でしょう。その仲間の方は、日頃あなたのナイスショットと、壁にぶち当たっている時のあなたのショットの違いを素早く見抜いて、立ち直るきっかけを指摘してくれることでしょう。持つべきは良き友ということです。
(6)クラブを使う( ♪♪ 備わった クラブの性能 考えて )
 プレーをしていると、ショットに当たってはどうしても手や腕に頼ってしまいがちです。でも、主役となるべきは何かということをよく考え下さい。手や腕がシャトルボールをターゲットに運んでくれるわけではありません。主役はクラブです。手や腕は、クラブと自分の体との接点ではあっても直接シャトルに触れてはいません。最小限のフォース(力)を与えてあげれば、慣性という力が働いてクラブは 理想のスイングアークを描いてシャトルボールをターゲットに運ぶように設計されているのです。手や腕を使ってその性能を殺さないようにしましょう。そこで同伴競技者からナイスショットと称賛されるのはあなたなのですが、筆者は「クラブがそのナイスショットを放ったのは自分だ」と言ったり、脇役のショットマットが「自分がサポートしているからだ」との不満を聞いたことがありません。ご安心ください。
(7)メンタル面 ( ♪♪  メンタルが 幅を利かせる ゲームです  ) TBGは個人競技です。ゲームが始まってしまうと、同伴競技者は原則援助の手を差し伸べてくれません。ペア戦を除き、何から何まで自分一人で決めていかなければなりまん。そこでお勧めしたいのが、何事も前向きに考える習慣作りです。靴一足以内の極端に短い距離の籠入れも、これは無理だと端から否定的に考えず、普段から条件を変えて練習しておくことで何とかなるものです。ショットに入った時、同伴競技者の声が聞こえてきたら(これはマナー違反)、一度アドレスを解いてみたり、ショットの際に「打ちます」と声をかけてみたりするのもマナー違反を諫める一つの方法です。これを内心で「うるさいな、マナー違反だ」と考えるようではそのショットはミスになってしまいます。また、同伴競技者が3人とも籠入れを終えた後、自分で自分にプレッシャーをかけることもミスになります。こんな例では、「自分が一番近いので籠に入って当然だ」位に心を落ち着けて前向きにショットしてみましょう。全て前向きに考えることがコツといえばコツです。